ドライフラワー、リースについて
- Littérature... fleuriste tokyo

- 2021年10月17日
- 読了時間: 4分
リテラチュールでは、ドライフラワーのブーケやリースもお作りしています。
2種類のタイプがあって、ドライ花材をブーケやリースにしたものと、フレッシュな花材を使ってお作りして、ドライになる過程を楽しんでいただくものです。
フレッシュな花材は、比較的きれいな色と形を残したままドライになるものを選んでいます。
ドライフラワーの色は、フレッシュフラワーでは見られない、アンティークカラーが魅力の一つです。なので、なるべく白茶けたりしない、褪色の仕方が美しいものを厳選しているつもりなのですが、色の移り変わりというのは、同じ一つの花でも株ごとに違ったりして、本当に神秘的です。
よくいただく質問が、このお花はドライになりますか?というものです。
お花は、もともと花びらや茎が水分を多く含んでツルツルしているものと、茎が硬めで比較的カサカサした手触りのものなど、さまざまです。
一般的に、柔らかく、水分を多く含んでいるものは、水分が抜ける過程でお花が萎れてしまい、乾ききる前に傷んでしまったり、茶色く萎んでしまうものが多いです。チューリップやラナンキュラスなど春のお花は水分をたっぷり含んでいて、花びらも重たく散っていくので、ナチュラルなドライには不向きと言えます。また、花びらが肉厚で、湿度と温度を必要とする蘭なども、ナチュラルドライには向いていません。
反対に、もともとの1枚の水分量が少ない花びらが多いお花や、ネイティブフラワーなどのお花は、腐りにくく、ドライになる過程で水分量の変化で形が萎んだりしないため、ドライフラワーに適したお花と言えます。ネイティブフラワーはアフリカで生息するお花です。暑くて乾きがちなアフリカの地で咲くために、水分が少なくても花を保てる性質があるのですね。
このように、お花が持つ性質と、環境とで条件はだいぶ変わってきます。まず初めは、もともとの水分量が少ないお花(触感がカサカサとしているもの)を、逆さに吊るして扇風機に当ててみたり、頭が下がらないものは、ウォーターインでドライにしていく方法(2センチくらいの少ない水で放置)を試してみてください。夏場よりは湿気がグッと減るこれからの季節は、ドライフラワーにおすすめの時期と言えます。
薔薇や紫陽花も、同じように、収穫時期や品種によって、きれいにドライになるものがあります。秋色紫陽花(アンティーク紫陽花とも呼ばれます)がその例で、旬を過ぎ、雨などに打たれずに温度環境が適切に保たれると、ガクは硬くなり、色も変化していきます。
私はこの色の変化にすっかり魅了されて、綺麗な秋色を見つけるとすぐに手にとってしまうのですが、今年はいろいろな色のオランダ産紫陽花をたくさん入れて、色の変化を楽しんでいました。
オランダの紫陽花は日本のものよりも花がとても大きくて、ガクが肉厚で水分量が少ないものが多いです。そして、色味も青、赤、紫だけでなく、魅力的なニュアンスカラーがたくさんあります。日持ちもし、バリエーションが豊富なので、フランスで研修をした際も、装花にはこの大きな紫陽花が大活躍していました。
ブーケやにするもの豪華ですが、アレンジメントのオアシス隠しに使ったり、リースを作ったり、同じお花の中でも株ごとに色味が違ったりするので、本当にその魅力は無限大です。
どの紫陽花を使うと、どんなドライフラワーになるのか、その過程を写真に撮りましたので、いくつかご紹介します。
深いブルーが美しい『ロイヤルキング』

ヴィンテージデニムのような色の落ち方です。

ギュッと詰まった花びらのグラデーションが魅力の『ロデオ』シリーズ。もともとがアンティークカラーなので、とっても人気の品種です。

淡いミントグリーンとブルーグレーに。

クラシカルなシリーズ『エルブダル・ピンク』の秋色

こんなパープルピンクになるんですね。

褪色は時間の経過とともに進んでいきますが、ドライフラワーは、一度ドライになれば寿命は永遠というわけではありません。
ホコリやカビの心配がありますので、時々様子を見てあげて、ホコリを取り除いたり、まだいけそうな子と、汚れてしまった子と分けて、他のものと交換したりすると良いです。色のあるものは3ヶ月〜半年くらい、他は1年くらいの交換が目安です。
直射日光や湿気を避け、風通しの良い場所に置いてください。
キッチン周りは水や油のはねで汚れがつきやすいので、気をつけてくださいね。
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